ピアソラ日記

徒然なるままに…南半球より

少々落ち込んだ日…こんなことなら

 

今日は友人の誘いで

退役軍人クラブのランチに行ってきました

ちなみに退役軍人クラブの会と知ったのは

会場のホテルに着いてからです

 

アフガニスタンの特殊部隊で戦った元兵士の

スピーチがあるという話だったのです

 

単純な私はそれはさぞ興味深い話が

聞けるだろうくらいに思い

気軽にOKの返事をしてしまいました

 

まず会場に着いて驚いたのは

アジア人が一人もいないことです

ものの見事に白人一色です

それでも同じテーブルについているのは

殆ど見知った顔の友人ばかりだったので

珍しいけれどこういうこともあるのだろう

くらいに思っていました

 

最初のスピーチが始まった時に

今日の会の趣旨と目的と主催者がわかりました

退役軍人の会…そりゃアジア人いない訳です

 

ま いいでしょう

こういうのも一つの経験だ

そんなことを思いながら

この会に助けられたという戦争未亡人の子供の

スピーチを聞いたりしていました

 

そして件の特殊部隊の元兵士のスピーチが始まりました

彼はアフガニスタンでのタリバンとの戦いを

まるでハリウッド映画さながらの描写で語り始めます

 

砂漠の中をヘリコプターから降りるシーン

仲間の兵士がマシンガンの攻撃の中を走るシーン

タリバン兵士の隠れ家のドアをバタンと開けるシーン

 

臨場感の伴うトークにすっかり聞きいる

はずだったのですが 実際はなぜか

どんどん冷めた気持ちになっていきました

 

彼のトークが悪かった訳では決してなく

ただ私の側に戦争に対する嫌悪感が

聞けば聞くほど募っていったのです

 

不思議なもので戦争映画をどんなに見ても

ここまで嫌な気分にはなったことはありませんでした

 

タリバンの隠れ家に女性と子供がいたというのを

聞いた時には(彼らは保護したそうですが)

気分まで悪くなりました

 

ラストは拍手の嵐で会場全体スタンディングオベーションです

私は一人最後まで席を立てなかったです

どうしても立って拍手をする気になれませんでした

 

帰りの車の中はかなり落ち込みました

浅はかだった自分を呪いました

こんなことならこの決して安くなかった

ランチのお金をホームレスに寄付したほうが

どれだけ良かったかとまで思いましたよ

 

現実は映画の中にはないというのを

今更ながら突きつけられた思いです

 

 

帰ってからパンを焼きました

冷蔵庫からパンの種を出して発酵させている時に

どれだけ恵まれた環境に自分が置かれているか

つくづく有り難く思いました

 

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