ピアソラ日記

徒然なるままに…南半球より

映画「LION」LION/ライオン ~25年目のただいま〜🌟🌟🌟🌟

 

去年予告を見て以来 いまかいまかと公開を指折り数えた一本

 

インドの小さな街で兄とはぐれ1500キロに渡る電車での旅の末

齢たった5歳の少年が辿り着いたのは大都市カルカッタ

数ヶ月の路上生活を送った後 オーストラリアに貰われて行き

25年後グーグルアースで自分の生まれ故郷を探し出す実話です

 

http://media.vanityfair.com/photos/570fbc1f4ec64126219431c7/master/h_1440,c_limit/lion-movie-poster-dev-patel.jpg

 

 


Lion Official Trailer 1 (2016) - Dev Patel Movie

 

↓こっちは日本語訳付きですが短いので上に英語版も載せました

 

youtu.be

 

 

デヴ・パテル主演にインドときたらやっぱり

スラムドッグ・ミリオネア」を思い出さずにはいられないですよ

あの映画を最初に見たときの衝撃は忘れ難いですが

あちらが急速な繁栄の裏に潜むインドの闇を映し出した

究極のエンタメ映画だとしたら

こちらは事実を丁寧になぞるドキュメンタリーのような一本でした

 

淡々とした流れに少々拍子抜けしたのは事実ですが

それでもこの映像の豊かさと出演者の演技力には

どうしたって文句のつけようがありません

特に子役の少年とその兄を演じた二人を始めとした

インド側のキャストには胸を打たれましたよ

インドのお母さん上手い…二コール・キッドマンも

とってもよかったけれど でもインドのお母さんには敵わないです

素朴だけれど愛に溢れた演技は 実際そこに存在したであろう

子を失くした母の愛に十分通ずるものがありました

個人的にはパテルやニコールよりも彼らにオスカーあげたいなぁ

 

映画の最後に事実の補足注釈が流れますが

そこにはぐれたお兄さんのことや 少年がいなくなってからも

町に残り続けたお母さんのその後の話などが載っていて

それを読むとハンカチ片手に鼻をかみつつ

人生の不思議を思わずにはいられません

 

そして隣で見ていたプチソラの感想はこんな感じ

「良かったけど ちょっと長かったね」

食べる物に困ることなくモノに溢れた13歳児には

きっとピンと来なかったのでしょう

 

どこで迷子になっても大人に一言をかければ(かけなくても)

すぐに誰かが助けてくれて親を見つけてくれる

たとえそれが1500キロ離れた街であろうとも…

そんな生活が当たり前の国ばかりではないというのを

垣間見るだけでも子供を連れて行く価値のある映画だと思います

 

日本公開は4月7日

ちなみに題名の「ライオン」は少年のインド名だそうです

5歳の少年は自分の名前を「Saroo-サルー」だと思い込んでいたのですが

実はヒンドューで「ライオン」を意味する「Sheru 」というのが

彼の本当の名前だったそうですよ

 

プチソラは言葉の遅い子供だったので 

5歳の時に迷子になって25年後に帰ってきたら

間違いなく違う名前になっていただろうとフト思いました(笑)