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ピアソラ日記

徒然なるままに…南半球より

本『コンビニ人間』村田沙耶香

読書

 

日本から来ていた知人が本を置いていってくれました

今でこそ電子ブックがありますが 以前は何が有難いって

本のお土産ほどありがたいものはありませんでした

 

 

今でも紙の本を頂くととても嬉しいです

今回は芥川賞受賞作品でしたよ

 

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こちらもいまどきの受賞作品の例に漏れず

文章が軽く読みやすいので二日で完読しました

 

内容はというと

社会に適応できない30代の女性が

コンビニに自分の居場所を見出す話です

 

「社会に適応できない」と一口で言いましたが

同じ「社会不適応者」でもいろいろな人がいます

この本の中にも主人公の女性以外にもう一人出てきます

 

この二人が圧倒的に違うのは

主人公の女性が本当に他人のこころを理解していないのに対して

後者の男性は全てを理解している上で社会に依存している点です

 

途中で何度か出てくる主人公のこころの動きを読んでいると

彼女は軽度の知的障害を抱えているのではと思われました

他人のいらぬおせっかいや干渉に腹をたてる代わりに

理解できない扱いにくいものとして妹に助言を求め

それらを自分なりにクリアしていく努力をする

 

社会に適応できないのを

他人が自分に「普通」を押し付けようとすると

ネガティヴに社会を捉えつづけるもう一人の男性とは

圧倒的にパワーが違います

 

彼女のポジティヴなパワーは最後に発揮され

ある意味「元の鞘」に戻るのですが…

 

 

この本を読んでいたら「くちづけ」という

邦画を思い出しました

知的障害者グループホームの映画です

 


映画『くちづけ』予告編

 

 

人間の選ぶ権利を問うという意味でも

この映画は星5つでお勧めしますが…

 

 

『コンビニ人間』の方は読み返すことはないでしょう

おそらく読み手によって全く違った印象を持つ小説だと思います

これを読んで「自分だけじゃない」と思い人もいるでしょうし

元気をもらう人もいると思います

 

ただ単に娯楽小説として読んでも面白い本だと思いますが

少々リアルが欠けている気がするのは

私が臍曲がりだからかもしれませんね