ピアソラ日記

徒然なるままに…南半球より

DVD「EYE IN THE SKY」アイ・イン・ザ・スカイ  世界一安全な戦場🌟🌟🌟🌟

 

昨夜期待度50パーセントで見始めたのですが

お 予想していた展開と違う... 

 

スリラー?コメディ? 

 

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EYE IN THE SKY Official Trailer (2016) Alan Rickman, Helen Mirren, Aaron Paul

 

 

字幕付きの動画が見つかりませんでした

ストーリーを動画に沿って簡単に説明すると

 

イギリスとアメリカが合同でテロリストを追っています

ケニアにあるテロリストの拠点には最新の軍事用カメラが

鳥や昆虫に姿を模して配置されています

 

そのカメラに映る映像には自爆テロリストの姿があり

軍は彼らの起こすテロによる被害を80人程度と見積もります

ならばとこの拠点に上空からドローンによる

ミサイル攻撃を仕掛けようとしたところ

マイケル・サンデルの「正義の話」みたいな

シチュエーションが発生します

 

攻撃を仕掛けるターゲットポイントにやってきた

パン売りの少女の命とテロにより失われるかもしれない80人の命

ここから上層部の話し合いが始まります

 

 

こんなふうに書いたら

なんだか真面目な軍事映画のようですが

誤解を招くのを承知で言えば

イギリス流の風刺映画を見ているようでした

 

だってこんなシチュエーションでこの逡巡は

絶対ありえないと思うんですよ

子供の命を諦めろとは言いませんが

現場のプロ意識がそれを許さないでしょう

 

だからその辺りは後半の議論を盛り上げるための

伏線と自分勝手に解釈しました

そう焦点は現場と上層部の意見のやりとりの部分です

 

こことても面白かったです

普通の勤め人ならばここはみんな

「あるある」でしょう

 

決定権を握りきれない弱さと責任回避欲

透明性(リーク性)の高い社会では数字と確率が優位を保ち

人はモラルとコンプライアンスの狭間を行ったり来たりします

 

次から次へともっともらしいご意見番

現れるところも今時の社会と笑っていたら

一転今度は画面の前から動けないスリリングな状況に…

 

たいへん プチソラと二人

「早く早く!」 とか

「買って買って!」とか

「走れー!」 とか 

スクリーンの前で叫びまくるのですが...

 

最後は今は亡きアラン・リックマン

カッコよく締めてくれました

 

なのに邦訳の副題が彼のセリフをものの見事に

台無しにしているじゃあないですか

見てからつけた?

って聞きたいくらいです

 

最新の軍事ガジェットや世界中に散見する軍事基地も

興味深い見所なのでしょうが

どちらのサイドにも同じように慈しむ家族がいる

という部分もこの映画の争点なのではないかと思いました

 

一見地味な映画ですが中学生以上なら

家族で楽しめる強力お薦めの一本です