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ピアソラ日記

徒然なるままに…南半球より

映画「私はダニエル・ブレイク」I, DANIEL BLAKE  🌟🌟🌟🌟⭐️

映画とDVD

 

この映画を見て何も思わない人がいるでしょうか…

今年一番心を動かされた一本です

 

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I, DANIEL BLAKE - OFFICIAL UK TRAILER [HD]

 

 

イギリスの失業者であふれた町の特集を

先日テレビのドキュメンタリーで見たばかりです

 

そこでは貧困から犯罪に手を染めてゆく若者も多数出てきましたが

こちらはイギリスの郊外で事情により失業の憂き目に遭いつつも

真面目に正しく生きてゆく人たちが主役です

 

 

心臓発作を起こしドクターから働くことを禁じられたダニエルは

国の支援制度を利用しようとしますが申請はオンラインのみ

熟練大工として40年以上やってきたダニエルは戸惑いますが

それでもなんとか申請します

 

ところが行政のシステムはそう簡単には運ばず

申請を断られ他の部署をたらい回しにさせられ

社会保障システムの矛盾に延々と翻弄されます

同じく行政の四角四面の対応に抗議していた

シングルマザーと二人の子供たちに出会ったダニエルは

自分の立場も顧みず彼らを助けるのですが…

 

役所に電話をしても延々と待たされたり

決められた質問だけを繰り返し こちらの質問には答えず

自分の質問にだけ答えろという杓子定規な係官が出てきたり

丁寧な言い回しで不愉快な腑に落ちない言葉を吐かれたり

私たちの普段の生活の中でもよくあることばかりですが

そういう時代だから仕方ないと諦めていますよね

 

そんなふうに諦められるのは時代に乗っかった生き方が

まだ出来ているからだとこれを見て思いました

それら全てに怒るダニエルの言葉はいちいち真っ当で

こちらの心に突き刺さってきます

 

「ロブスター」という映画では

感情を表に出さないのが良しとされる未来を描いていましたが

相手の親身になる役所の職員が上司に叱られ

機械のように同じ言葉を繰り返す職員が正しいとされるのならば

確かにそういう未来が待っていてもおかしくないと

なんだか身につまされる思いで映画館を後にしました

 

カンヌの最高賞パルムドールの受賞作です

これを撮ったケン・ローチ監督の他の作品を見たことはありませんが

すぐそこにある「飢え」をこんなに上手く表現した作品を私は他に知りません

 

日本公開は来年になるようですが必見の一本

目に見えない貧困が蔓延る日本でも

話題作となることは間違いないと思います

 

 

 

映画「ロブスター」は不愉快を感じつつ見た一本

オススメはしませんが色々と考えさせられるのも事実です

 


映画『ロブスター』予告編